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2024年09月12日

インタビュー「プラン75」


是枝裕和監督『十年 Ten Years Japan』を桜坂劇場で観たのは2019年1月。


その中の短編 『PLAN75』(早川千絵監督)を観た「僕」は69歳だった。


流れ星


75歳以上が自ら生死を選択できる制度が施行された近未来の日本。


子どもたちに迷惑をかけたくないと「プラン75」を申請する老人たち。


行政的な手続きの後、薬物によって安楽死させられる。


政府による「安楽死」を選んだ人に対する支度金は10万円。




「私」はある「女」からインタビューを受けた。


「女」 もうすぐ75歳になりますが、映画「ブラン75」を思い出しますか?

「僕」 いいえ。「後期高齢者」になるという意識もありません。



「女」 男性の平均寿命は81歳ですが「長生きしたい」と思ったことはありますか?

「僕」 「平均」に意味があるとは思いません。

「短命」も「長命」も意味がありません。「長命草」は「サクナ」。



「女」 生きているのが「つらい」と思ったことはありますか?

「僕」 いつも「つらい」ですよ、若い時から。

受験、勤務---いまは「暑さ」が一番つらいです。



「女」 健康状態、老化現象が気になりますか?

「僕」 心筋梗塞1日、感染症1週間、がん6か月、認知症2年で死にます。

「寝たきり」の人生もいいかもしれない。1日16時間寝る。



「女」 最近はどんなふうに1日を過ごしていますか?

「僕」 涼しくなったらたくさん歩きたいですが、今はそれができません。

路線バスで「那覇メインプレイス」に行ってサンエーの「太巻き」を食べて、

スタバで珈琲を飲みながら読書をして、4時頃にホテルに帰る。



「女」 那覇での1日を再現したいということですか?

「僕」 10時頃家を出て4時頃に帰宅する。6時間の「外出」は精神の健康にいい。

週2回くらいの外食も気分転換になり「生きている」ことを実感できます。



「女」 最近とくに負担に感じることは?

「僕」 片付けです。母が亡くなった時の家財の片付けが大変だったので。

今は庭に雑草が生えないように片付けています。



「女」 先ほど、心筋梗塞だと1日で死ねるとおっしゃいましたが---

「僕」 吉本隆明が言っていますが、「死」は選べないと。

「気がついたら人間だったわけで、それから生きてきたわけで、

どこへ行くかといったら、天国や極楽へ行くわけじゃなくて、

リン酸カルシウムになるだけです」



「女」 「心筋梗塞」も「認知症」も選べないと?

「僕」 これまた吉本隆明ですが、

「先のことが心配で心配で仕方なくなっても、心配するだけ損なんだから、

それよりもいま起こっていることに注目するほうがいい。・・

なるようにしかならないことを自覚するということ。」



「女」 でもその「自覚」が難しいですよね。

「僕」 「自覚」できなくても、「心配」しないきゃいい。レット一トビー。



「女」 「心配」しないというのは「自覚」しないことより難しいのでは?

「僕」 そろそろ彼岸花が咲くから、探しに行けばいい。

彼岸花は「心配」も「自覚」もしないで生きていますから。



「女」 もうすぐ75歳になりますが、心配事はほんとうにありませんか?

「僕」 もし今日死んだら、このインタビューがブログにアップされないことかな。



「女」 心配ありませんよ。「死ねば死にきり」ですから。

「僕」 なるほど。こちらに合わせてきましたね。泡瀬干潟!



「女」 「プラン75」を申請するお気持ちはありませんか?

「僕」 あなたが75歳になる時を見届けたいですね。


インタビュー「プラン75」



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Posted by ゴーヤー茶. at 07:55 │身の上話