筆記帳 雑記帳
「筆記帳」という言葉が懐かしい。
小学校には6年間も通ったのに、教室の思い出が少ない。
裏門、鉄棒、縄跳び、ヒステリックな女先生と優しい男先生。
「雑記帳」という言葉も記憶にある。
「親父やおふくろさんに訊きましたよ。
〈どうして俺だけ、いつも憂鬱な顔してるんだ?
兄弟みんな、貧乏人なりの朗らかさを持ってるのに、
俺だけどうして憂鬱なんだろうな?〉って訊いた」(詩人・吉本隆明)
「引っ込み思案」と言われ続けた。
「内弁慶」とも言われた。「やーいじゃー」ということ。
小学生低学年の時、図工の授業で「人形」を作らされた。
新聞紙をちぎり、ご飯粒を溶かした糊で貼り付けて人形を作るのだ。
ヒステリーの女先生が---
「お人形の耳、〇〇くんの耳と同じで大きいね」と声をかけてきた。
僕は泣いて家まで走って帰った。
「福耳だ」「立派な耳だ」「大黒様のような耳だね」と近所のおばさんに言われていた。
「ダンボ」とあだ名をつけられたこともある。
「四角い顔の寅ちゃん」と同じだ。四角くて悪かったね。
「どんなに社会的な制度が変わろうと、
いくら痒くても背中はかきづらい」(詩人・吉本隆明)
もし手元に「雑記帳」があったら、なにを書くだろうか。
「2月26日午後2時54分ごろ地震。震源地は三重県南東沖。
震源の深さは約400キロ、マグニチュード5・7。
遠くの福島県と栃木県で最大震度2。
埼玉や東京など関東の広いエリアで震度1。」
いやな予感がする。
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