1個20円の玉ねぎ、人参
4月1日、スーパーマーケットの店頭には行列ができていた。玉ねぎ、人参、ジャガイモが1個20円。
並んでいるのは高齢者ばかり。「食料」を確保するために並んでいるガザのひとびとを想起させる。
「不二家」の店頭にも行列ができていた。ショートケーキが半額の297円。
いゃ、そもそも定価594円のショートケーキなど買えない、買わない。
2,800品目の食品が値上げになった4月。破格の値引きで、とにかく来客を確保するのだ。
「あそこのスーパーは安いものがない」と思われたら、もう客は来ない。
3年ほどで店を閉じた「揚げ物専門店」があった。
神奈川テレビの取材を受けたり、広報誌に広告を載せたりしていたが、客は伸びなかった。
アジフライ、鶏のから揚げなどを買ったことがあるが、客としては「揚げ物だけ」はきつい。
玉ねぎ、人参、ジャガイモ、1個50円の時は行列ができないが、20円では行列ができる。
ただ、残念ながら半数の客は、他の商品は買わない。
玉ねぎ5個、人参5本、ジャガイモ10個だけを買って400円+税を支払って帰る。
大手資本のスーパーは閉店しても倒産はしない。
個人商店の「揚げ物専門店」の閉店は倒産だ。
揚げ物屋の店主は、スーパーの「賃金労働者」として働くほかない。
「資本主義の目的は、利潤を追求して資本を増やすこと。
モノを広く安く売って儲けようとする社会では経済成長が優先され、
自然環境や人間の幸福は後回しです。
富は一部の富裕層に集中し、社会保障は削られ、
多くの労働者は使い捨てられていく」(斎藤幸平)
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